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Winery Introduction

ワイナリー紹介
水掛醸造所 代表 鎌倉 怜史さん
長野県諏訪郡原村にある水掛尾根にワイナリーを開設され、その設備のひとつとしてまゆ型コンクリートタンクを導入して頂けました。今回はその水掛醸造所代表の鎌倉さんにお話しを伺って参りました。

 元々は東京で金融系のベンチャー企業に勤めていて、信用リスクの受託・流動化を行っていました。すべての過程が把握できていると楽しいのですが、規模が大きくなるとそうもいかなくて、全部個人で完結できる仕事はないかなと考えている時に飲んでいたのがワインで、そこからワイナリーへの道を考えるようになりました。

 頻繁にコミュニケーションができる範囲で栽培・醸造・提供ができればいいなと考えています。また、私の地元は果樹不毛地帯でどんなぶどう・ワインができるかわからない地域ですが、地域の特徴をうまく表現できるような造り方をしていきたいです。
 

 素材がコンクリートというところに魅力を感じました。
海外ではコンクリート容器が一般的に使用されているのは知っていたのですが、それがワインにどう影響するのか知見がありませんでした。
 経験ある発酵容器の素材はステンレス、木、プラスチックで、造るワインに合わせて容器素材の特徴を利用しますが、コンクリートはそれらの素材のどれとも異なる特徴を持っていそうでしたので、面白そうだなと興味を持ちました。

 当初、コンクリートタンクは設備の候補になっていませんでした。
というのも、海外のコンクリートタンクはその重量もあって送料が割高になると聞いていたので、予算的に検討をしていませんでした。
 国産のまゆ型コンクリートタンクを知ったのはInstagramでたまたま写真が流れてきたのを目にしたからです。最初はちょっとした興味本位で連絡を入れさせてもらいましたが、実物の製品を見学できる工場が近かった事や、当時検討していたステンレスタンクの価格よりも安かった事で導入に心が動きました。

 

 見た目は存在感がかなりあります。そして存在感に比例して重いです。
中身の入っていない少量のタンクは移動させる事が多く、まれに転ばしてしまうこともあるのですが、コンクリートタンクの場合は転倒させてしまうと人力では起こせないと思うので緊張感があります。
 他の素材の容器と比べて重量は大きく異なる特徴なので、取り扱う方も意識して安全に配慮する必要はあるかと感じました。

 醸造にどう影響するかはまだこれからなので不明ですが、酸素透過性を持つことと、蓄熱性があることに期待しています。見た目と厚みからは想像しにくいですが、コンクリートは酸素を透過するようですので、熟成に違いが出ればいいなと思っています。
 蓄熱性については、タンク搬入時に実感できました。運搬の際、太陽に照らされていたコンクリートタンクは工場内でも2日程温かいままでした。

 熱に強いコンクリートタンクができると扱いやすくていいかなと思います。